【エターナル夏休み部】第1章 8話「懺悔(?)の始まり」

メインストーリー1章8話

第1章 8話「懺悔(?)の始まり」

うわぁ……。
時計塔が……、まる焼けじゃねぇか。
どうしてこんなことに……。
これ保険きくんです?
花火に引火して結構いい感じに燃えてるじゃないすか。
ちょっと時期早まった感あるけど。
お前らなんでそうなの?
不良C
不良C
警察来るぞ! 早く逃げるぞ!
あっ。
行っちゃい、ましたね……。
ふむ……。
任務は成功した、と言っていいんでしょうかね?
不良たちがここに寄り付かなくなる、という面では、
成功かもしれませんが。
寄り付こうにも、その場所がなくなっちゃったしね。
まぁ、そうだな。
不良がいなくなれば、落とし物をパクられたり、
奪い取られる事件もなくなる。
うん、でも……。
こんなことになるとは想像してなかったんだけどな……。
言っとくけど、オレが爆発起こしたんじゃねぇからな。
オレが持ってきたのは設計図という名の紙切れで、
爆発物を持ってきたわけじゃねぇ。
わかってますよ。
それより、そろそろ解散しませんか?
いつまでもこんなところにいるのは危険です。
そうだな。
こんだけでかい建物が燃えたんだ。
誰かが通報しててもおかしくない――ん?
……消防車のサイレンが聞こえる。
も、もう通報されてたってこと……!?
マズいです。帰りましょう!
絶対に! 退学は嫌です!!
リョウタも行きますよ!
うわっ!
引っ張らないでー!!
ハルヤ、俺らも解散するぞ!
1年、お前も――
って、いねぇー!
どいつもこいつも逃げ足速すぎんだろ!
おいハルヤ――
……。
生徒指導教員
生徒指導教員
……。
遅かったか……。

 

夜・職員室

あーあーあーあーあー。
オジサンは嫌だねェ。スマホロックもかけれないくせに、
人生の先輩として偉そうに振る舞うんだもん。
しかもロックかかってないスマホを職員室に置きっぱなし。
いや、なんにも悪いことをしてないって言うんなら
置きっぱでも……。
……うーん、いや、それでもちょっと、ねぇ……?
きっとどこかで「自分は大丈夫」「自分は失敗しない」って
思ってるんだろうね。
それとも、性善説を信じてるのかな?
自分は悪だけど、周りの人間みんないい人だから
悪事はバレません、って?
はァ~あ、愚かなオジサンって、嫌だなァ~~。
ほォら、こんなとこに不良の番号メモってる。アホの極み!
見てこれ。
「NIVI 番号」だって。
普通ちょっとは濁したり別の名前書いたりするでしょ。
別ルートで慎重に番号手に入れた僕たちが馬鹿みたい。
どれどれェ? ちょっとかけてみようか。
……もしもーし、もしもーし。
あっはは!
出ない出ない。
今ごろ逃げてる最中かな?
さっきは別の電話で非通知にしてかけてみたんだけど、
お酒が入ってるせいか、元々の性格なのか、
結構キレてて面白かったなァ。
ねぇ、皆晴聞いてる?
黙ってたら会話にならないよ。
いや、お前が黙れっつう……。
嬉吾、お前のお喋りには後でいくらでも付き合うから、
今は静かにしてくれ。
気が散んだよ。
僕に喋らせたくないんだったら、
さっさとデータ吸い上げれば。
これでも爆速でやってんだ。
……よし、終わった。
センコーが不良たち――NIVIにコンタクトとってる
メッセージ、その他もろもろ、全部ある。
ありがとう! やっぱり僕って天才!
僕、スパイの才能あるのかもしれない……。
才能って、罪だよねェ……。
いや、俺の手柄なんだが!?
はぁ……、もういいわ。
おら、帰るぞ。
見つかったらまずい。
あは、面白いこと言うねェ。
見つかるわけないじゃん。
僕たちが。
ね? 先輩♡
一緒にいてくれてありがとう。
先輩がいてくれたから、時計塔、ちゃーんと爆発したよ。
……。

 

 

投稿者 日生 良

物書き色々クリエイター